
メディカルツーリズム
- 斉尾武郎
- 医薬経済社
- 2940円
書評/健康・医学

★★★★★★★★★★ west32書評 ★★★★★★★★★★
ここしばらく献本を受けていなかったが、久々に興味のある本があったので頂いた。色々な地域振興で医療、しかもそれを観光と絡めているものがあり、それがメディカルツーリズムとのことで読んでみる気になった。
しかし、これはあまりにもアメリカ人向けの本で、他の国の人間には読んでもとても意味がなさそうな内容だった。それよりもアメリカがよくいう「グローバリゼーション」の先兵を送るための教育書のような気がした。どのようにしてツアーを計画すれば良いか?予算は?プランナーは?また、現地での注意事項と。おまけに"べし"、"べからず"集まで付いている。まさしく、海外病院のアメリカ化を進めるには!って感がある。
アメリカ人にとっては、世界が均一になるグローバリゼーション、他人にとっては単なる米国化に過ぎない。アメリカ人を患者として海外に送り出し、自分たちの生き良い世界を広げようとしている。そのための本で、アメリカ人以外には関係無い本、いや、アメリカ人向けにメディカルツーリズムビジネスをする人には良い本かもしれない。その意味では、私が読み始めるに当たって考えた地域振興ビジネスとしての日本での活用もあるかもしれない。
「ようこそジャパン」を掲げるように日本への外国人旅行者を増やすため、医療産業を国際観光の目玉にというのもあるかもしれない。しかし、ここの書きぶりではとても日本じゃ無理だと思う。
一方、一般の日本人にとってはこの本の内容は関係無い。英語もできないから海外ではコミュニケーションはしんどいし、現地もこんなしんどいことせんでも健康な金持ち日本人との付き合い方法をご存じだ。
それに付け加えて、監修者のニッポンの医療は二流を肯定する発言はこまったもんだ。特に今、事情があって入院しているわが身にとっては、こんな発言はいらない。外国を見習えとか、JCI認証をとれとか言っている前に患者に対する具体的な対応を考えて、もし二流なら良くなるような方法を提案してほしい。こんな本を出してどれだけの意味があると思っているんだろう。
繰り返しになるが、この本は世界の医療をグローバリゼーションの名の下に米国化するための本である。決して彼らに世界の医療を食い荒らされてはいけない。
この本にサブタイトルを付けるとしたら
「米人による米人のためのお得な海外治療ノウハウを」
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