100年先を読む―永続への転換戦略
- 月尾嘉男
- モラロジー研究所
- 1470円
書評
★★★ west32書評 ★★★
今の日本の我々、なんかダメだダメだと言ってるけどまだまだ!!行けるじゃないの!!と日本を振り返らせてくれる本。
情報にあふれる今、そのあふれの中心に居るのが良いのかというとそうじゃない、エクサという大きなけたの情報洪水に飲まれるのが良いかというとそんなものじゃない、氾濫の中で混乱するより離れた方が良いという企業があるらしい。離れることにより必要のない情報は消滅するから世界企業でも無名の地方都市に本社を持つらしい、何らかの淘汰された情報で生きるのも一つだろう、そんなちょっとした気づきがわかる。月尾さんは「岡目八目」という言葉で、中心の外側に位置することの重要性を説いているが、うん、なるほど!!渦中に居たら分からないもの。
情報という言葉で、「情報創造」と「情報処理」の違いを論じているのは面白い。なんか情報という言葉だけで私たちは踊らされることが多いが、創造と処理では全然違うね。処理ってルーチンでできる。。。ということは機械でも、いや機会の方が得意な分野だ。でも創造ってことは人しか出来ない。多様な情報につながる基本は創造!改めてその重要性を気づかせてくれた。
「現在の日本のとって必要なことは、開放されたドアの外側、すなわち未開の大地であるフロンティアに進出していくという気概をもつこと」、もうこの言葉で言い尽くされる。ここにいるより次の世界、新しい世界への挑戦、私たちは本当にその世界に進むんだ。それが私たちの世界。フロンティア精神で進みたい。
色々な事例から今の日本、特に経済だけに目を向けている日本、その危うさに警鐘を投げかけ、私たちが過去の日本がやってきた、文化的に充実した、自分たちの個性に満ちた世界、つまり物質満足ではなく、精神満足としての生き方を述べてくれている。
考え方にほ共鳴する点も多いし、励まされる点も一杯ある。その一方月尾さんもどうすれば良いのか?具体的に示しているわけではない。じゃぁどうすりゃ良いの?教えてほしいと思ってしまうが、実は個々によって考え方、生き方も違うし、何で満足するのかも違う。多様性という面で考えれば、誰かに教えてもらう、指示してもらうのではない。自らが考え、自らが動くということが重要で、それをしなさいとおっしゃっているのだ。それを考えると非常に重い言葉を渡されたと感じる。
私たちそれぞれの個性を生かして、この地球というシステムの中でお互いの思いを今日う融資ながら生きることなのだ。
タイトル通り、本当にこれからの私たち100年先を読んだ行動につなげたい。
div class="booklog_html">