2007年06月06日

<書評>生きさせろ! 難民化する若者たち:雨宮 処凛

(一言)
最近フリーターってあまり言わないが、非正規雇用社員はこれほどの厳しい状況なんだ!!成果主義ということで酷いことになっている正社員の下では、フリーターは更に過酷な状況にさらされ、その状況から抜け出せないでいる。まさに「生きさせろ」と言いたい状況だ。


生きさせろ! 難民化する若者たち
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書評/社会・政治



★★★★★ west32書評 ★★★★★

著者の雨宮処凛さんは、高校卒業後フリーターとしてウエイトレス、雑貨屋店員、カラオケボックス、スナック、キャバクラと非正規雇用で働き、厳しい生きるための生活をしなければならなかった。その後一冊の本を出版し、現在はドキュメンタリー作家として活動しておられる。そんな彼女が、フリーターを取り上げて、その現状を述べ、「生存」のための、反撃を開始せよと述べている。

雨宮氏は、 プレカリアート(Precario[不安定な]+ Proletariato[労働者階級])、すなわち「不安定さを強いられた人々」という言葉に出会って、この本を書こうと思い立ったとのこと。かつては、フリーターという言葉は本当に華やかさをもった言葉だったが、現在は殆ど聞かない。フリーターという言葉は褒めるというよりは、もう悪い言葉になっている。フリーター達は、プレカリアートになっている。

現在の景気は以前に比べれば随分とよくなり、消費も上がっており、薄型TVや高級外車が売れていると聞く。しかしそれは誰の話かあまり実感を感じていないのがよく新聞などで現れている状況。会社では、成果主義という美名の影に過酷な労働が待っており、役職者になっても、ただただ残業代もなく働かされるだけである。このように会社の正社員も厳しい状態であるが、本書によると、非正規雇用の社員はその影で更なる過酷な状況にさらされているとのことだ。賃金は低く下げられ、休むこともできず、ただただ疲れて仕事に行くだけ、また不必要なときにはあっさり切り捨てられるお手軽な労働力とみなされる。どんどんこの負のスパイラルで若い人々、若い労働力は消耗して行くのか!

一方、驚くべきフリーター側の言葉も述べられている。 フリーター問題の大きなところは、僕がいま、『なんとかなるだろう』と、思っているこの感覚かもしれない・・・・フリーター問題って、夢だけ見せて、労働力だけ搾取しているって構造になっているのかもしれない

この他にも、自己責任論、偽装請負、漫画喫茶で暮らすフリーター、過労自殺、フリーター労組とキーワードがあり、それぞれについて述べられる。
フリーターでなくとも、これからの日本を考える上で、きちんと見据えた方向で動いて行かなければならないことばかりである。

私は、現在のフリーター達がこんな状況であることは知らなかった。そしてこれはこれからを考える上で重要なことは理解した、だがどうすれば....
本書を読んで改めて色々な場で色々な人たちと考えてみたい。

タグ:雨宮処凛
posted by west32 at 23:05| 大阪 晴れ| Comment(2) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 フリーターが、低賃金ですぐ首を切れるお手軽な労働者だということは、高校生の時代から口をすっぱくして教えている。
 しかし田舎の地域では正社員より派遣のほうが手取り収入が多いからとそちらを選ぶものも多い。
 実際には年金や健康保険を払わないだけ手取りが多いというのに。
 実際にフリーターになってから気が付いても遅い。
負のスパイラルは容易に抜けられない。
 しかし29から大学にいき39で教育公務員になったものもいる。 がんばったものが報われないばかりではないという反例として提示したい。
Posted by 二反田 真人 at 2007年07月22日 18:48
コメントありがとうございます。

確かに、この負のスパイラスから自分の力で脱出する方もいらっしゃるんですね。ただ個人の努力も大切ですが、やはり社会的な動きが必要でしょう。
今回の選挙、この問題に直ぐに結果が出るわけではないですが、こういうのも一つ考えた上で投票に行こうと思います。
Posted by west32 at 2007年07月22日 23:00
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