
大気の海―なぜ風は吹き、生命が地球に満ちたのか
- ガブリエル・ウォーカー、渡会 圭子
- 早川書房
- 2100円
書評/サイエンス

★★★★★★★★★★ west32書評 ★★★★★★★★★★
私たちの周りにあって気のつかないもの、大気。私たちは地球の表面に住んではいるが、実はそれは大気という海の底。そんな大気に包まれて私たちは生きている。この大気について、400年前のガリレオから今日の科学者までの色々な考察、試行錯誤のうえでの研究がそれぞれ物語としてまとめられている。この本は大気に関する人類の一大研究レポートとでもいえる。
この物語の登場人物はメインの人だけでも数十人に渡る。登場人物だけなら百名以上。この中には、歴史上で有名な米国発見のコロンブスや地動説のガリレイ、物理の教科書に出てくる大気の重さを測ったトリチェリ、空気の弾性を発見したボイル、電磁波の発見の通信機の発明マルコーニ、ガイア理論のレイモンド・ラブロック....著名人、隠れた研究者、それぞれ素晴らしい人たちが、大気をテーマに述べる。
私は今まで知らなかったが、マルコーニは通信機の発明者としては有名だが、実は理論もわからなかったらしい。しかし、こうだろうという改良の方法を考え、発明、改善していったマルコーニの強い意思に驚いた。今までの有線通信ではなく、この大気の中を電波が飛んでいく。確実に海のうえ、山のうえを飛んで、大気の中で必要な情報を伝える。現在の携帯電話にもつながる無線技術を発明したマルコー二の技術の探求力には感心する。またこの無線技術のおかげで、タイタニックの事故がその場で世界に伝えられ、色々な救助活動が行われるようになったとは!!知らなかった。
320ページにわたる、大気を研究した科学者たちの膨大な記録。こんな大気の研究の集大成は素晴らしい知識の伝達に当たる。あまりのも膨大で、私は初めの数十ページで疲れて挫折しそうになったが、ガイア説のラブロックなど身近に感じる人たちの言葉で興味がどんどん深まってのめりこんでいった。人によって興味を持つ部分は異なるが、面白い読み物として読むと何かを始めてみたくなるきっかけが得られるだろう。
ガブリエル・ウォーカー
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