面白い設定、確かに人類は地球のバイキンともいえる存在。私たちがいなくなったら、さて地球はどうなるのか?面白い設定で、いわゆる環境本とは一線を隔しているが、人類が環境に及ぼしている影響をまさに理解できる本。
人類が消えた世界
- アラン・ワイズマン
- 早川書房
- 円
書評/サイエンス

★★★★★★★★★★ west32書評 ★★★★★★★★★★
とっぴおしもないことを考えた人がいる、アラン・ワイズマン。今の状態から突然人類がいなくなったら?というもの。昔は核戦争とかで人類が滅亡=建物も設備も破壊、という設定がSFなどでなされ、小説化、映画化されたが、この本では「人類だけが消滅」という設定でまじめにその世界を想像している。
そもそも私たちだけが居なくなるってどうして?と思うが、人だけに影響を及ぼすウイルス、精子が無力化、宇宙人が連れ去った...これを考えるだけで色々な想像ができ、思いは発散するほど広がってしまう。だがとにかくなんでもいい、場の設定だけであるのでまずは「人類だけが消滅」して頂く。単純に今ここで突然に人だけがいなくなる世界!これって考えてみると色々なことが簡単に想像でき、面白い。誰にでも想像することができるが、専門家により専門的知識の下で推定させるとさらに面白い。例えばNYはいつも地下に水が溜まっておりそれを排水しているが、人が居なくなればそれも行われず、水浸し、地下鉄も水の中、巨大なビルも地下が水で一杯。やがて腐食でビルの足元が崩れ、橋も折れ....南北アメリカを分断したパナマ運河、高低差をダムなどでカバーした運河は、崩壊し海水が流れ出すのでは?....これらが各専門家の言葉から語られる。
人類が居なくなった世界を考えること、それは人類によって影響を及ぼされているものが、そのあとどうなるのか?ということ。建造物は破壊し土に戻っていく、農作物も家畜も生存競争の中で淘汰、野生化していく。地球は人のつくった全てを自分たちのものとして破壊していく。だが人類が作り出した技術は、地球が自分のシステムの中でもう元に戻せないものもある。プラスチックは分解されるだろうか?フロンは?
人が居なくなった世界を想像するということは「人が環境に及ぼしている影響度を知るということ」、面白いアプローチだが、この本はまさしく地球環境について述べられた本だ。人類がいかに地球のバイキンであって、それを取り除くことにより、回復していくハズ....いや回復できずに潰れていく....そんな世界を知ることができる。そのうえで、私たちは何をすべきか考える必要がある。
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